000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

おっちゃん物想う

おっちゃん物想う

ウサギの成り方


熊さんとは仲良しだよ

ウサギが言った

キツネさんは恐いんだ

嘘もつくしね

とそのウサギは自分の嘘を隠して言う

冬に成ると一緒に寝るんだよ、

暖かい熊さんの背中が好き。

そうなんだ、とリスが真面目に聞く。

ふくろうがそれを聞いて、ホウと鳴いた。

リスはタヌキさんは安全だよねと聞いた

若いリスは忘れる事が多い

タヌキにいつも餌を盗られてる

隠しては盗られているのを知っていながら、

ウサギはそうだろうね、余り知らないけど、とごまかす。

又、ふくろうがホウと鳴く。

この森は賢者の森。

そこに迷い込んだウサギ。

賢者への道が有るのに、間違って迷い込んだウサギと

話す事に成ったリス。

ふくろうは未だ昼間だから、声を掛けるのがわずらわしい。

このウサギは行き場を無くすだろうと、眺めている。

リスが探していたのは案内役のハトだった。

ハトはキツネの掘った洞窟を借りて、

巣にして賢者が現れるのを待つ様にと言う伝言を持っていた。

南の海で天候が悪く足留めをされてしまっていたハト。

リスはそう言う事だったら熊さんの所へ行けば良いんだね、と旅支度を始めた。

そしてお礼にと木の実をウサギに分けようとした。

そこへ遅れていたハトがやってきてその実を食べてしまった。

ウサギが不満を言おうとしたら、ハトはウサギの耳を捕まえ、改心の森へと飛んだ。

そうしてウサギは耳が長くなった。

前歯が大きいのは、真面目にしていたから舌を噛まないで済むようにとの計らいだった。

嘘をつくと舌を噛む魔法も掛けられていたのだった。

ふくろうは、信じられない事を良く聞くから「ほう」と、鳴くのだった。

賢者だけが知っている。

信じられる事を。

それは卵を産む時のカメの涙程な物。

カメにも負けたウサギ。

何故かは愚者が知ってる事も有る。

兎は兎に成りたいのさ。

只、それだけが全ての事。



next



© Rakuten Group, Inc.